3年間という長きに渡って続いた『俺の屍を越えてゆけ』の開発も終りを告げようとしています。 途中1年くらい私は他プロジェクトに浮気をしましたが、いゃ長かった。 いま思い起せば、桝田さんの10ページ程度の企画書しかなかった初めの頃、 戦闘担当プログラマMと、プログラムの下準備をしたものです。 まことに内輪ネタで恐縮ですが、その一部を紹介すると、・火水風土のラベルはどうしよう?
『俺屍』には、人物の性格等を構成する4属性が存在します。
・心技体のラベルはどうしよう?
その4属性に管理しやすいよう「ラベル」を設けました。
火(flame):「fire」はださい。炎にしよう。
水(water):おっ同じ5文字だ。でも平凡。
元素ならhydroだけど判りにくいなァ。
風(breez):「breeze」は6文字、最後のeとっちゃえ。
「wind」よりかっこいい?
土(earth):土=地球だろう、やっばり。とこのように決めました。
上記4属性以外に、体の性質を構成する3要素が存在します。
・ラベルの生成規則は、名詞+動詞にしようぜ
その3要素も管理しやすいよう「ラベル」を設けました。
心(mind):まっ、妥当なところでしょ
技(skil):「skill」、最後の「l」もとっちゃえ。
いいの判るから!
体(body):体そのまま。とこのように決めました
たとえば、 「open_file」はダメ、「file_open」にする。
・パブリックなラベルには、
なんたって、これこそオブジェクト指向だぜ
そのモジュールを表す2文字のプリフィクスをつけるぜたとえば、
op_xxxxx:オープニング(序章)
tt_xxxxx:タイトル
ma_xxxxx:メインメニュー
bt_xxxxx:戦闘(バトル)
などなど。
仕様変更が茶飯事だった『俺屍』ですが、 具体的に何が変っていったんでしょうか? 今回は、かずかずの仕様変更のうち 判りやすいものをご紹介しましょう。蔵:
はじめは50個入る蔵が、
復興によって20建つ予定だった。
しかし、家の「道具」画面で
携帯袋と蔵の選択するだけでも面倒なのに、
更に20の蔵を選択させるのは極悪。装備の予備:
装備には、「腕,体,頭,他」の4つ以外に予備2つがあり、
外字:
戦闘中に付替えることのできる装備を格納するハズだった。
テストプレイヤーが誰も理解できずボツ。できるだけプレイヤーの姓名を正しく入力させるため、
質屋:
プレイヤーの定義できる外字が1文字だけ用意されていた。
ドットエディターも出来ていたが、誰も使わないのでボツ。「施設」の一つ。
対戦:
その名のとうり物でお金を貸してくれるところです。
期間的に間に合わないのでボツ。ごめんなさい。作ってみたけど、味方AIが対応できない事と
一族の並び代え:
期間的に間に合わないことでボツ。
ごめんなさい。「年齢順」や「能力順」で
自動ソートする機能があったんだけど、 誰も使わないのでボツ。
ゲーム開発中には多くのバグが起ります。 そのデバッグのためにずるい(チート)コマンドが用意されています。 特に、ダンジョンマップはデバッグコマンドの宝庫です。どんなものがあるかご紹介しましょう。・アトリビュート(通過不可)を無視して動ける
ざっとこんなモノです。チートな方達にはよだれが出そうなコマンドですが、製品ではぜ〜ったい使えないのであしからず。・モンスターと接触しても戦闘に入らない
・3Dマップをノンテクスチャで表示する
・3Dマップをワイヤーフレームで表示する
・3Dマップのプロジェクション(視点から画面までの距離)、
カメラアングルを変更する・3Dマップのアンビエントカラー(環境色)、
ライティングを変更する・特定の場所にワープする
・パーティメンバーを全回復する
・縮小マップを常に表示する