1000mmを越える鋼鉄の装甲。何もかも大雑把なパーツ分割。
−命令序列第一位。弱者乃保護− 巨大なボディが、民衆を守る盾となった。人々が見上げる鋼鉄の手の上に、敢然と腕を組む少女の姿が浮かび上がる。
−同 第二位。正義乃貫徹− 赤い目が、光の残像を残した。胸から吹き出す蒸気が、辺りの窓ガラスを次々と割った。
−OVERS−SYSTEM Ver0.99.− −論理ゲート。命令序列一位及二位通過。− −推論ゲート。命令序列一位及二位支持。− −最終ゲート。同支持。本件は通過しました。−
天に佳々子を指し抱き、何一つポーズを取らずとも、それが、絶望的に強いことを本能で分からせる威圧感。
土を盛大に落としながら、鬼魂号が現れる。
コクピットが開いた。 佳々子が王のように堂々たる姿勢で座る。そして、背中から伸びる機械の手袋をつけた。
佳々子の手の動きに合わせて、鬼魂号が拳を開き、握る。
「私は悪を許さない。」
赤い目が意思を持つかのように光った。