ガンパレードマーチ・外伝
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フランソワーズ・アカネは国際空港に居る。

「あの化け物、あの化け物」
 呪詛を吐きながら、息子の手を引っ張った。まだそう大きいとは言えない子だった。
母親に似た金髪で、表情が分からないくらいに殴られて腫れていた。

フランソワーズは、手荷物検査ゲートの前までくると、息子に言った。
「お前は、あっちを行くのよ。そして出来るだけ騒ぐの。いつもママがダイスケにやっているでしょ?あれを他の人にやるのよ。いいわね。動かなくなるまでやってもかまわない」
「でも、ママン」
 フランソワーズの表情が豹変した。鬼のような形相だった。
「私を母と呼ぶな」
「はい」

 フランソワーズは、周囲に悟られないように表情を元に戻した。
「いいわ。それでこそ今までいじってきたかいがあるというもの。最後の最後くらい、役に立ってみなさい」
「はい」

 フランソワーズは、にっこり笑うと、もう息子のことは忘れた。
ここから逃げきれたら、次は米国だ。調査をしなければならない。
 私は、必ず知ってみせる。世界がどうなっているかを。


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