画メモ『MY HOUSE

01/01/05


 最近、短編小説をよく読む。
 暇な時間が切れ切れなので、それを効率よく娯楽に転化するのに適した形式だからである。
 こういうゲームの需要もあるかもナと、ふと思う。
 で、考えた企画。

 小さな町の片隅に一軒の古い貸家(貸別荘でも可)がある。
 そこに家族、あるいは個人が移り住み、やがて去って行く。
 転居の理由もさまざま。
 希望をもって越して来てハッピーに去って行く者、あるいはその逆。
 世帯が変わると1話終了。
 1話あたりの想定プレイ時間は、30分〜3時間。
 全8〜10話くらい。

 表の主人公は原則的に各世帯主。
 プレイヤーはそれを操作し、その個人あるいは家族の当面の課題を解決するのが目的だ。
 裏の主人公はこの家。
 「縁あってここに住む人の気持ちをできるだけ安らかにし、出て行くときもなるべくなら幸せに見送りたい」とこの家は考えている。
 この願いが“家の精”を生み、各世帯主を操る…。
 設定としては少々苦しい気もするが、ま、とりあえず。

 話がいくつあってもマップはひとつ。
 引っ越してくる家族以外のキャラも流用できる。
 グラフィックの面では制作費の点で安上がり。

 実は現在、僕を含め僕の家族は古い借家に仮住まいしている。
 家のあちこちに前に住んでいた人の生活の跡が残っている。
 たとえば子供の身長を記録したと思える柱の傷。
 どうやらこの家には男女1名ずつの子供がいて、少なくとも小学校から高校まではここで育ったらしい… などと推理し僕の家族と比べて みたり。
 押し入れの妙な改造がおそらくは仏壇の跡で、この家で亡くなった方もいたのかナ…。
 だとすると1階の和室は1部屋なので、仏様の寝かされていた場所で僕は今寝起きしている。
 「おまけに北枕だよ、おい」とか気づいて慌ててみたり。
 けっこう楽しい。
 そんな感じで、各話のつながりが出せたらおもしろいと思う。

 そういえばこないだまで住んでいた家は、8年前に中古で買ったのだけど、前に住んでいた人はバブルがはじけたあおりで家を売ること になったとの噂。
 で、凝った造りの庭は、1年で草ぼうぼう(笑)。
 あげくに建物も耐用年数の半分も全うしていないのに解体。
 風情のかけらもない実用重視のアパートみたいな家が同じ土地に建ちかけている。

 話が脱線した。戻す。
 このゲームの家に引っ越してくるのは、人も事情もさまざま。
 たとえば子供がいるので離婚に踏み切れない仮面夫婦とその子供。
 男が失業中で女の稼ぎで生活している、内縁3年目の男女。
 妻の痴呆症が日々進む老夫婦。
 脱サラしてリサイクルショップを始めた途端、競合店がすぐそばにできて悩んでいるホモカップル。
 結納を済ませて家具まで買い揃えたのに、恋人に逃げられた中年の男性教師。
 彼らをそれなりの幸せに導くのは“家の精”であるアナタ。

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桝田省治
Alfa・MARS PROJECT