カベンジャー「組織の一員」案

03/04/23


1.主人公は「組織の一員」か「個人」:
先日アップした“スカベンジャー”が意外とウケがいいようなので、企画の続きである。
現在、悩んでいるのは、主人公の位置付けである。
軍隊のような「組織の一員」か、一匹狼のトレジャーハンターや猟師のような「個人営業」か。
2.両者の役割、性格の違い:
A.組織の一員の場合:
前者の場合、難度はともかく常に目的が与えられ、迷うことはない。
たとえミッションに失敗しても、おそらくは最低限の保証もある。
正しいかどうかは別にして、敵も明確だ。
求められる役割は、所属するチームの目的のために、自分の仕事を献身的にこなすこと。
ある意味で、野球やラグビーのような集団競技の選手、登山チームの一員に似ている。
B.個人営業の場合:
後者の場合、目標は自分で決め、裁量も収穫も大きい。
反面、判断の全責任は自分にあり、極論すればゲームオーバーも止むなしだ。
また、いわゆるモンスター以外に、人間の競争相手がいるのが設定として自然だ。
そのライバルをどうゲームシステムに“らしく”乗せるか。
意外と難しい。
たとえば、自分と同等のライバルがいれば、プレイヤーが長い時間何もしなければ、ダンジョンの宝箱はすべて空になるはずだ。
リアルだが、これではゲームとしておもしろいわけがない。
3.まず、「組織の一員」案:
現在は、両方の可能性を模索している。
まず最初は「組織の一員」としてのプレイヤー案だ。
これを考える際、想像したのは、未踏の地に後から来る仲間のために道をつける作業工程だ。
たとえば、山口県の秋芳洞。日本最大の洞窟だ。
現在は多くの観光客が訪れている。
洞窟内はライトアップされ、電話やエレベータも設置されていたように記憶している。
だが最初は、暗闇を命綱をつけた重装備のつわものが、時間を掛けて進み少しずつ地図を作成していったはずだ。
あるいは未開のジャングルに、道路を通す苦労を想像してみてくれ。
キーワードは、後から来る仲間のための献身的作業。公共的利益。
それに作業の明確な分担、仲間への信頼あたりか。
4.舞台設定のおさらい:
話は戻って、本企画スカベンジャーのダンジョン攻略システムだ。
前提として、スカベンジャーの時代背景は今より未来。
ダンジョンは、遺跡なり宇宙船なりの巨大な人工建造物。
内部には警備ロボットや、奇怪なモンスターが徘徊している。
プレイヤーは、その時代の最先端装備を使用。
「組織の一員」案の場合、プレイヤーの主目的は、ダンジョン全域の探索、安全確保だろう。
5.未踏エリアを制圧する通常の手順、試案:
A.ロボットを放ち、情報収集:
現在、安全なエリアにつながる、攻略したい未踏エリア1カ所を指定し小型ロボットを放つ。
ロボットは、当該エリア全域をカバーするように、一定距離おきに探査装置(レーダー)を設置しつつ移動。
探査装置の感知範囲のマップは自動的に作成される。
また感知範囲内で移動する者、生命反応、特殊な金属などの位置もリアルタイムで送信される。
設置された探査装置は床置き敷きの照明にもなり、周辺を照らす。
ただしモンスターなどによりロボットが破壊されると、探査装置は設置されず、そこより先のマップは作成されない。
あまりに危険そうなら後回しにして、別の未踏エリアに対し、再度小型ロボットを放つのも選択肢のひとつだ。
B.人間が探査装置を設置:
工程の第2段階。ここより先がプレイヤーの仕事。
プレイヤーの役割は先兵である。
たいていの場合、プレイヤーは未完成のマップを受け取る。
探査装置の敷設部隊を編制。
ロボットが破壊された地点より先に、人間自身が進み所定の位置に探査装置を設置することが目的だ。
探査装置が設置された場所の周囲は、非常灯程度には明るい。
が、それ以外の場所は探査装置の設置までは“暗闇”。
自分の移動方向、数メートル先しか見えない。
既に探査装置が設置された周辺のモンスターの数や位置のデータは、呼び出せば、ほぼリアルタイムで知ることができる。
つまりある程度の、危機回避は可能。
ただし探査装置未設置の範囲での情報収集は自分の目と耳。
非常に狭い範囲をカバーする携帯レーダーだけ。
さらに目的地は、ロボットが破壊されたポイントなわけだから、当然モンスターとの遭遇率は高い。
戦闘を回避できない場合も多い。

ちなみに本ゲームのモンスターの多くは属性に大きな片寄りがあり、弱点を攻めればわりと簡単に倒せるが、汎用的な武器では相当てこずる バランスだ。
勝てばモンスターの組成分(パラメータ)が採取でき、弱点を分析することができる。
罠を設置しモンスターを捕獲することもできる。
C.当該エリアを封鎖:
全域に探査装置を設置しつつ、隣接するエリアとの扉(特殊な金属でできている)を見つけシールドを張って閉鎖。
当該エリアに新たなモンスターが侵入することを防ぐ。
これが第3段階。
D.モンスターを掃討:
続いて第4段階。
当該エリア内の全モンスターのデータを収集。種類別の数を特定。
各モンスターの弱点に合わせた武器を選択。
駆逐部隊を編成。
当該エリア内のモンスターを1体ずつ撃破し全滅させる。
E.陣地の確保:
技術班が運搬補給(ワープ、セーブ)ポイントや、照明を設置。
酸素も供給。
以上の作業が終了すれば、当該エリアは安全なエリアとなる。
同時に、未回収のアイテムやテクノロジーが追加される。
上記Aに戻って、隣接する未踏エリアを指定し、その攻略作戦に移行する。
6.アクシデント:
上記5の“未踏エリアを制圧する通常の手順”を繰り返し、安全なエリアを拡大する。
ある意味、単純作業だ。
エンターテイメントとしては、適度にアクシデントが必要。
以下、アクシデント案の羅列。
  • 探査装置の敷設ロボットがことごとく破壊され、マップの大半が不明。
  • 探査装置が設置後にレーダー機能を停止。マップはわかるが、モンスターの動きがわからない。
  • 探査装置が設置後に照明としての機能を停止。
  • 探査装置が発する電波が、何らかの理由で届かない。
  • レーダーは感知するが、不可視な組成のモンスター。
  • 上記の逆のモンスター。
  • モンスターを生むモンスター。
  • 組成が変わり弱点も変わるモンスター。
  • 人や他のモンスター、器具などに姿を変えるモンスター。
  • 人に取り憑き、操るモンスター。
  • 排気口など、人間が入れない別ルートを移動するモンスター。
  • シールドを通過するモンスター。
  • 特定の場所から移動しないモンスター。
  • 安全なエリアがモンスターに再び占拠され、帰還ポイント、補給ポイントが消失。
  • 発見できなかった別の侵入口があり、モンスターが突然増える。
  • 各種の人災。
7.問題点と見通し:
プレイヤーを“個人営業”にする案に比べて、自由度が低い。
アクション性なり、パズル性なり、シナリオなり、別のおもしろさを付加する必要があるかも。
僕個人の趣味としては、あまり情報が繁雑でなく、少なくとも当面の目標がわかりやすい“個人営業”案にまとめたいと思っている。
 以上
Alfa・MARS PROJECT