ゲームの仕様の決め方(だいたいこんな感じ)
05/12/15
※以下は、我が竜を見よBBSコーナー記事番号1154「精霊と竜と数学」へ桝田がレスした記事をコラムへ転載したものです。 たとえば、胎児の成長過程を想像してみてくれ。 最初に形成が進むのは、背骨や心臓などの、それがないと生きられないパーツだ。 ゲームを作る場合も同じで、そのゲームの根幹になる、それがないと、そのゲームが成立しない部品から考えていく。 「我が竜を見よ」の場合なら「自分だけの竜を作れたら面白いにちがいない」というコンセプトだね。 で、それを成立させるためには、まず何が必要か。 自分だけの竜とは、体型、大きさ、色、性格、戦い方などが他人の竜と違うということか? じゃあ、その差を出すにはどんなシステムが必要か。 そのシステムを思いついたら、そのシステム自体を成立させるために必要な要素は何か。 …という風に順に考えていくわけだ。 で、迷ったときは1段階なり2段階、元に戻って何故それが必要だったのかと照らし合わせる。 同時に進めるのが「自分だけの竜を作る」ことに対して必然性のある状況設定を考えること。 「世界を滅ぼそうとしている敵は、手塩にかけて育てた竜にしか倒せない」とか、できるだけシンプルな構造がいい。 で、こっちもシステム同様に、なぜ竜にしか倒せないのかとか、竜を育てるのは誰かとか、その状況を成立させるために必要な 部品を付け足していくわけだ。 注意点としては、枝葉のアイデアがいくら面白くても、それをやるために幹を切らないことだね。 なにしろ枝葉というのは、幹に付いてるもんだから。 これ、頭ではわかっていても、けっこう難しいんだ。 当たり前だけど、いろんな立場の人がいて立場により優先度が違う。 極端な場合、前述の背骨、心臓に当たる部分が「何でもいいから売れる」ことだったりする。 そうすると「今のトレンドはカードだろ。とにかくカードを増やせ」とかそんな話が突然出てきたりして、想定外の接木がされたりね。 質問にあった細かいパラメータの設定というのは、人体で言えば手とか目とか、もちろんないと生活に支障をきたす大事な部品では あるけれど、背骨や心臓に比べれば取るに足らない。 だから制作過程では後まわしだ。 と言っても赤ん坊がそうであるように、それなりの形になったときにはもう付いてる。 ただそれが思ったとおり、ちゃんと動くようになるのは試行錯誤を経た、まだまだ先の話だ。 |