場のお芝居

99/5/11 桝田省治


 いつも長男の話ばかり書いているので、たまには次男のコトも書いてみる。
 先日次男が積み木を並べていた。積み木の種類と数はおおよそ以下の通り。
 牛のカタチの積み木:2
 馬のカタチの積み木:2
 人のカタチの積み木:8
 樹木のカタチの積み木:6
 直方体のカタチの積み木:8
 「これは何?」と次男に質問したところ「牧場の“お芝居”」という答。
 「ナゼ牧場ではなく、牧場の“お芝居”なの?」と聞いてみた。
 ボキャブラリー貧困かつ論理性に大きく欠ける3歳児の言葉は一緒に暮らす者にしか理解できないので要約する。
 「自分の記憶にあるマザー牧場では人の数より家畜の数のほうがずっと多かった。牧場を再現するにはこの積み木の構成は牛馬の数が人の数に 対して少ないように思う。しかしながら先日観た劇団四季のライオンキングがあの人数でジャングルを再現していた芝居という方法論ならこの積み木でも 牧場を再現して遊ぶことが可能だと判断した。またたまたま牧場を舞台としているが、自分の遊びはそこに生きる人間ドラマが主眼である。この点においても 牧場の“お芝居”という趣向は理にかなっている」
 …ということらしい。
 学習とか発見、あるいは応用というのは、こういうコトなんだなと気づく。
 子供って侮れないモンだなとつくづく思う、今日この頃である。
 
 劇団四季の名前が出たついでに、先日長男の校外学習に引率して観た劇団かかし座の影絵劇ジャングルブックの感想。
 最近じゃ珍しく僕と僕の長男の意見が完全に一致したので紹介する。
 「見世物としての商品力を除けば、四季のライオンキングより演出の合理性・必然性が高く、脚本も整理されていてテーマがずっとわかりやすい。 役者のノリもよい。たいへんおもしろかった」
 劇団かかし座の影絵劇ジャングルブック、機会があればぜひ。
 ちなみに劇団四季のライオンキングの長男の感想は「こけおどしの最初の5分だけ観て帰ればよかった。まるで○○○(ゲームのタイトル名)みたい だったね」
 僕の感想はさすがにもう少しオトナで「こけおどしの最初の10分だけ観て帰ればよかった。でも○○○よりは2時間で終わる分だけはるかに 良心的かもよ」である。
 もちろんいい席のチケットを苦労して手に入れた「お母さんにはゼッタイ内緒にしておけ」と口止めした。

桝田省治
Alfa・MARS PROJECT