ルトラマン2題

99/7/07 桝田省治


 久しぶりに夢の話。
 事務所で昼寝をしたらウルトラマンが登場する夢を2つ続けて見た。
 ●第1話:住宅展示場にて
 日曜日に近所の住宅展示場で、集客用のイベント「ウルトラマンと握手しよう!」が開催されている。
 息子たちにせがまれて連れて行く。
 ウルトラマン団扇にウルトラ文字でサイン+握手+記念撮影のお決まりのコース、合わせて1000円。
 それにしてもこの住宅展示場のウルトラマンの着ぐるみは、営業用とはいえかなりくたびれている。
 無数に修理の跡がある。ひざやひじに至っては継ぎ当ての色さえ違う。
 てなことを考えていたら、次男が「オシッコ!」と言い出した。
 連れて行き用を済ませトイレから出る。
 と、そこにはウルトラマンが立っていた。
 ウルトラマンは僕の方へ歩み寄ると耳元でこう言った。
 「す、すいません。背中のジッパー、み、見てもらえませんか」
 首から下5センチあたりの位置で、それは壊れていた。上にも下にも動かない。
 「ダメだ、こりゃ」僕の声を聞くと同時に、上の息子が指さしながら
 「お父さん、ほらほら、ウルトラマンの足から水が出てきたよ」
 ●第2話:神宮球場にて
 ※この夢には前記の夢のようなオチはありません。あしからず。
 最新のホログラフィの投影装置が実用化されたらしい。
 今までにない巨大な映像を投射できるのがその機械のウリだ。
 それを使って神宮球場で“原寸大”ウルトラマンショーをやると言う。
 息子たちにせがまれて連れて行く。
 今年のヤクルト戦じゃ、ここまで客は入らないだろうなあ、と思えるほど立錐の余地がない。
 にもかかわらず、センターのちょうど後ろの外野席は空けてあった。
 なんでだろう、と考えていると…
 「シュワッチ!」の大音響とともに50メートルくらいのウルトラマンとバルタン星人が目の前に出現。
 バトルの内容はおなじみの等身大ウルトラマンショーと大して違いはない。
 が、なにしろ“原寸大”。すごい迫力だ。
 ウルトラマンの放ったスペシウム光線をバルタン星人が避けた。
 スペシウム光線はセンター方向へ…。
 「ドカ〜〜ン!!」
 外野席でホンモノの爆薬が破裂。
 ああ、空いていたスペースはこの仕掛けのためか、と感心する。
 バルタン星人が分身。ホローグラフィなのでこのへんの演出はお手の物だ。
 まッ、そんなこんなで約15分でショーは終了。
 息子たちは大喜び。大人5000円、子供3000円は安いと思う。
 出口のところにポスターが貼ってあった。
 来月の出し物は永井豪キャラの競演で「マジンガーZ対デビルマン」。
 チケットは既に完売らしい。
 講談社の知り合いに頼めばなんとかなるかなあ、と考えつつ家路につく。
桝田省治
Alfa・MARS PROJECT