来の記憶をもつ高校生

99/11/09


 久しぶりに夢で見た話。
 僕は高校生(京都)に戻っている。
 ただし以下2点がヘンだと気づく。
 ○京都なのに中学(東京)時代の友人もいる。転校してきたらしい。
 ○僕は未来、つまり現在の記憶をもっている。
 この2点から僕は、以下の推論をする。

 まるで映画や小説のように、僕は現在の記憶を保持したまま、25年ほど過去へワープしたらしい。
 しかしながらこの世界は既に僕が経験した時間の流れとは、少しだけ異なることが起きている。
 夢の中ではよくある時間や場所の矛盾を、こんなSFっぽい設定をつけることで夢の中の僕は納得する。
 もちろんこの時点では夢だと気づいてはいない。

 周囲を見回すと…
 4年後に“できちゃった婚”をする、今は両者とも別の恋人がいる同級生。
 6年後肺炎だか結核で亡くなる、当時から空咳の多かった恩師。
 7年後、命と引き換えに溺れている子供を助けて死ぬことになるHくん。
 10年後に当時はやりの“成田離婚”をする後輩M子。
 18年後リストラにあうヤツ。
 原発の設計に携わり、22年後ストレスでハゲになるクラスメート。

 彼らにその将来を教えれば、もしかしたら今なら回避できるかもしれないと、僕は考える。
 が、そのものズバリを言うというのもナンだなと思い、イイ加減な占いのようなカタチでそれとなく教えることにする。
 僕の“予言”を聞いた者の反応はさまざまだ。
 おもしろがる者、意外とまじめに聞く者、「ありえない!」と断言する者、不愉快そうに笑う者、「そうかもね」といきなり遠く見る者。
 (ちなみに川口雅代さんに「女優も声優もキャスターも経験してNYに住むことになる」と教えてあげたら「ラッキ〜!」と、のたまわっていた)
 僕はそれらの反応を含め、彼ら全員がとてもいとおしかった。

 でまあ、僕のこの占いは、真偽のほどはともかくとして大人気を博す。
 ある女性が走ってきて僕に問う。
 「わたしの将来も教えてよ」
 (実は彼女の顔を見た瞬間、これが夢だと気づいた)
 「あなたは29歳でゲームデザイナーと結婚するよ」
 「ゲームデザイナーって、何?」
 4半世紀前には、ゲームデザイナーなんて言葉は認知されていなかったことを思い出して笑いそうになる。
 それを我慢しつつ
 「とにかく、そいつと結婚して子供を3人産む」
 「わたし、しあわせ?」
 僕はこの時点ではこれが夢だと気づいていたので、どうせならと思い彼女を抱き締めてこう言ってやったサ。
 「もちろん!」
Alfa・MARS PROJECT