劇団かかし座、推薦文
00/07/19
“かかし座”というのは、かなり乱暴な紹介ですが、影絵といわゆる演劇をミックスした出し物が売りの劇団です。 日ごろ口の悪い僕ですが、彼らの活動に関しては好意的に評価しています。 その理由をこの推薦文を書くにあたり少し考えてみました。 ●影絵にはシステムの単純さと観客の想像力: 影絵は、ただの手や紙に光を当てることで、その影がさまざまな動物や人などに見えます。 原理は簡単ですが、改めて考えてみると実に素敵な錯覚です。 演者と観客の共犯者的想像力で成立しているという言い方もできます。 システムの単純さと観客の想像力を前提に考えるなら、ある意味で可能性は無限です。 今後もかかし座の手で、さまざまな表現方法や題材が試されることを期待しています。 ●テレビゲームとの共通性と将来への示唆: またしてもかなり乱暴な解釈ですが、光と影でできる有意な図形で表現するという点では、影絵とテレビモニターの原点は同じです。 2次元の平面を主要な出力媒体としているため、ハードから受ける制約も似ています。 この制約をテレビゲームの場合は、ゲーム機の性能向上によりつまりは見た目をよりリアルにすることで解決しようとしている のが、昨今の大きな傾向です。 その結果、グラフィックはきれい、ゲームとしてはイマイチなタイトルが増えているように感じます。 また制作コストも年々暴騰。 営業的なリスクを回避するため、実験的な新しい試みは極力排除され無難なモノがほとんど。 ソフト面での進化が止まったエンターテイメントに将来はないと個人的には思います。 こういった観点で見ると、かかし座の影絵は実に多くの示唆を与えてくれます。 ●子供の夢に本気で汗を流す人々: かかし座の客層は、ファミリー層。 中でもメインターゲットは、児童です。 平たく言えば“子供”です。 言い換えればかつてのゲームの主要購買層。 現在でも一部の機種やソフトの製造メーカーでは、大切であるはずのお客様です。 で、ここで自分のことは棚に上げて、声を大にして言いたいのは「これらメーカーの中に子供に夢を与えるために本気で汗をかいている人が 果たして何人いるのか!?」という点です。 子供だましのクソゲー作ってる暇があったら、かかし座の本気を見に行きなさいと、僕は言いたいゾ。 てことで、非常に主観的な文章ですが、劇団かかし座推薦文、終わり。 桝田省治
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