ツタ、それぞれの戦略
01/04/12
新しい家は建ぺい率いっぱいに建てたので庭が狭い。 植栽も少ない。 少しでも緑を増やすべく、1〜2年後に家の周りのフェンスがおおわれるよう、ツタを植えてみた。 どうせなら彩りもあったほうが楽しいかと考え、花が咲くモノやら葉に模様が入っているのやら、いろいろ取り混ぜた。 植木屋さんいわく「根付くまでは水を切らさないように」とのこと。 で、毎朝、ツタに水をやるのが僕の日課となる。 毎日見ていると、素人目にも気づくことが少なくない。 ツタとして、ひとくくりにされる草にも、それぞれ異なる戦略があるのだ。 たとえば茎は細く葉も小さく薄いが、とりあえず高さを求めて、目を見張る勢いでグングン伸びる種類。 地べたで広がれるだけ広がった後に、あちこちから上に向かう種類。 茎が太く葉も肉厚で大振り、非常にゆっくりとしたペースだが、他を押しのけて力強く成長する種類。 ちなみに最後の種類は1年を通して、葉が落ちないタイプ。 前の2種は花が咲いて葉を落とすタイプだそうだ。 それから一口に、からまると言ってもさまざまだ。 文字通り茎をからめるモノ、螺旋状に巻き付くモノ、巻き付き専用の腕のようなツルを持つモノ。 他の種の茎を足掛かりにしているモノもある。 今朝、葉自体がフェンスの網をくわえ込んでいる様を発見したときはその闘志になんだか感動した。 それに二股に分かれる意味。 構造的なからまり安さもある。 が、伸びてみて、より環境のいいほうが残り、もう1本は枯れているケースが目に付く。 1本のツタの中でも競争があるようだ。 「どうせなら彩りも…」と、軽い気持ちで数種類を植えたツタ。 が、彼らにとっては、たかが数メートルのフェンスが、光を求め生き残りを賭けた、殺戮の嵐、吹きすさぶ戦場なのだ。 「ツタもたいへんだ〜ねェ。みんなガンバレ! 生きろよ!」と心の中で無責任に応援しつつ、今日も水をまいた。 |