ームは始まったばかりだ

98/11/09 桝田省治


 来年ウチの長男は小学生だ。
 公立の小学校がやたらと遠いので、私立の小学校を受験させてみることにした。
 「せっかくだからダメモトで有名私立も」という妻の提案により、ここ数週間桝田家はいわゆる“お受験”の真っ最中だ。
 とりあえず先週末で2校落ちた。
 その日の夜の風呂での長男との会話。


 長男「テストは全部できたのに…」
 僕 「まッ、倍率からいって最後はクジを引くようなモンだ」
 長男「クジ?」
 僕 「サイコロを振って決めてるようなモンってこと。少し運がなかっただけだよ。」
 長男「“メオシデキール”(いたストのオマケモードのすごろくにあるらしい。目押しができるアイテム)があればよかったね」
 僕 「そうだな」
 長男「“6進めるカード”(桃鉄のカード。必ず6マス進める)でもよかったね」
 僕 「そうだな」
 長男「お父さん、6進めるカードならカード売り場で買えるよ」
 僕 「知ってるけど、うまくカード売り場までたどり着けなかったんだよ」
 長男「6進めるカード、使った人もいる?」
 僕 「どうかな。中にはそういう人もいるかもな」
 長男「でも最初に使っちゃうと、5年目くらいで苦しくなるよね」
 僕 「世の中には、6進めるカードや新幹線カードをいくらでも持ってる人もいるんだよ」
 長男「ふ〜ん。でもまあ、ゲームは始まったばかりだ」
 僕 「確かにな。」


 僕の長男は6歳にしては人生を悟ってるし、そのわりには前向きだと思うのは親の欲目か。

桝田省治
 ついでに、ある学校での親子面接のときの長男の答。
 面接官「今まで読んだ中でおもしろかった本を教えてください?」
 長男「…え〜っと、う〜んと。コロコロコミック9月号。テレビマガジンは10月号がおもしろかったです!」
 面接官「た、たいへんユニークなお子さんですね」

 退室して。
 妻 「今ファーブル昆虫記とか読んでるくせに。そっちを言えばよかったのに。よりによって…」
 長男「でもウケてたよ。面接でウケをねらってど〜すんだよォ!」
 (自分でツッコミを入れるのは、品がないのでやめてほしいと僕も思う。)
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