妻が登場する夢2題
02/11/13
最近続けざまに、妻が登場する妙な内容の夢を見た。 先に断っておくが、状況が面白いだけで話としてのオチはない。
●その1
ある日僕は12年連れ添ってきた妻に、告げられる。
「私には双子の姉妹がいるの」と。 人にはさまざまな事情がある。 双子の片方が養子に出されることも珍しくはない。 言い出しにくい事情もあるだろう。 そんなことを考えつつ、僕は姉妹の所在をたずねた。 「実は、もうここにいるわ」 いずれ紹介されることもあるだろうと想像していたが既に家に来ていたとは、ずいぶん急な展開だ。 まあ、いい。 しかしどこに隠れているのだろう、2階、キッチン、まさか庭? こんなイタズラめいた演出を考えるくらいだから姉妹は仲がいいのだろう、ユーモアとしても悪くはない。 僕は妻と同じ顔をもつ女性の登場を待った。 そのとき妻が意外なことをした。 僕の手をとって、その手を空間に導いた。 そして僕の手は、見えない何者かと握手したのだ。 「透明人間なのよ。結婚以来ずーっと一緒にいるわ。あなたは、ひとりの女性と結婚したつもりだろうけど違うのよ」 さらに、透明と実体が、数カ月に一度入れ替わること。 彼女たちには、ひとり分の戸籍しかないこと。 それを知っているのは、妻の両親だけであること。 次男は現在、透明であるほうの妻が産んだこと、等など。 衝撃の告白が続いた。 僕はといえば、確かにはじめは動転した。 が、落ち着いてみると正直なところ「なんだか得したなあ」と感じた。 で、次に頭に浮かんだのが、今後は変わるかもしれない税率と夫婦生活だった…。
●その2
人類は圧倒的科学力を持つ、なぞの存在により支配され強制的に働かされている。
といっても、僕にとっては、そんなにつらいものではない。 なぜなら、きつい仕事でもなかったし、なにより労働の単位が家族で、妻や子供が常にそばにいた。 また家と作業場の往復で1日が終わるが、それは今と大差がない。 家と作業場の移動には、エレベータのようなものを使う。 専用の手袋をはめ特定のボタンを押すと、動く。 といっても、小さな振動すらない。 うわさでは、とんでもない距離を一瞬でつないでいるらしい。 もちろんどんな原理かは皆目わからない。 ある日、ふたりの息子たち(6歳、10歳)が眼を輝かせて 「お父さん! アレ、手袋なしでも動くよ」と言った。 そして面食らう僕をエレベータの中に引っ張って行った。 そして、ボタンをめちゃくちゃに押した。 (彼らは何度注意しても、このいたずらを現実においてやめない) いつもと違う音がし、いつもより明らかに長い時間が経った。 ドアが開いた。 見慣れた作業場の風景が見えて、少し安心した。 妻に似たおばあさんと、娘(2歳)の面影を残す若い女性がいた。 20年が経過していた。 妻は僕らを見て泣いた。息子たちも妻にすがって泣いた。 ただ娘は「覚えていない」と言った。 |