ンダ、ゲーム画面の“しょぼさ”について

97/10/06 (Nifty SM-FANパティオの発言より)


 あちこちでリンダのゲーム画面の“しょぼさ”に関して、ナゼ今さら“ファミコンのような” “汚い”“手抜きの”“2D見下ろし型の”マップなのか!? との話題が出ています。
 批判派、擁護派、様々な意見がありますが、いずれにせよ両者とも興味のある点のようなので、 僕が敢えてあのスタイルを選んだ理由を述べます。

 リンダのPS移植に際して最優先で重視したのは、「動物集めの楽しさ」です。
 結論から言えば、それに最も適合したのが現在のスタイルでした。

 PCE版とPS版のマップの表現方法の違いは、人間・動物のキャラサイズを少し大きくし、 それに合わせて建物等のサイズも大きくした点、大きくした分細部の描き込みがPCE版に比べ て緻密になっています。
 が、基本的に見比べなければわからない差ですし、今どきのゲームに比べれば、見劣りするのは否めません。
 これはセールス、及びプレイヤーの第一印象でマイナスに作用することは十分予想できました。
 これが現在リンダで採用されている2Dマップの最大の短所です。

 次にこのマップの長所です。

1. マップのXY軸が画面の縦横と同じなので、やや斜めに入りにくいPSのコントローラーでもストレスが少ない。
 これは、動物の追跡、動物からの逃走時に重要なことだと判断しました。
2. マップの立体表示処理が軽いため、リンダのやたら複雑な移動やエンカウントの演算処理が ストレスの少ないスピードで実現できる。
 リンダはたとえるなら、アクションとシミュレーションとロープレとアドベンチャー等の異な るタイプの計算処理を、常に同時に行っています。
 これがさまざまな動物の動きや習性、あるいは地形効果などの戦略要素をシミュレートしているわけです。
 当然、動物捕獲の駆け引きの奥行きに不可欠です。
3. 見通しが非常によい。視点を下げれば人間の目の位置に近づきますからリアルっぽく見えま すし、縮尺のサイズを上げればさらに建物などを描き込むことは可能です。
 しかしながら現在より1画面内の情報は減りますから、動物を発見しにくくなりますし、動物 の接近もわかりにくくなります。
 現状よりいたずらに難度や、偶然性の要素を上げるのはいい判断とは思えません。
4. 地形が記号化されていてわかりやすい。
 リンダのゲームシステムは、これを前提に成り立っています。


 PSではリンダ以前にFF7をはじめ、ポポロ等数々のRPGがリリースされ、それらのいず れもがリンダより美しいマップであると僕も思います。
 アクションゲームなどにも、かっこいいマップのゲームが多く出ています。
 実際のところそれらに似たマップの表現方法も、けっこう時間をかけて検討しました。
 その結果として「動物集めの楽しさ」に最も適合しているのが、実際に採用したあの2Dマッ プだったわけです。

 他のどのタイプのマップを採用しても、今より操作感、テンポ、情報の量と確度等がかなり落 ちたはずです。
 動物集めの楽しさの大半は、これらの部分を犠牲にして成立しません。
 いろいろな意見があるでしょうが、僕はこの選択に関して今も全く後悔はしていません。
 たぶん今同じ判断を委ねられても、自信をもって同じ答を出します。
 「動物集め」を楽しいと信じて作ったモノに、「動物集め」の楽しさを阻害する要因を自分で 入れる気にはなれません。
 それじゃ、それこそ志が低いですし、本末転倒です。
                          
桝田省治

 いやもちろん、たくさん売れてナンボという評価の出るゲームという商品において、それをハ ナから捨てちゃってるリンダは、本末転倒には違いないけどもサ、まッそれはこの際置いといて(笑)。
Alfa・MARS PROJECT