外IIのバトルシステムの基本コンセプト

95/12/09


 実はユーザーとしてRPGをほとんどやらない僕が非常に少ない経験からの意見というか印象 なので、これから書くことは、あまり自信がないけども・・・ということを前置きします。

 「天外II」とそれ以外のいわゆるストーリー重視のRPGのバトルシステムの基本コンセプトは、おそらく全く逆です。

 後者はDQが採用している内部回復(プレイヤーに知らん顔で毎ターン一定値のHPをモンスター側に内部的に加算する。 これにより、その一定値を越えるダメージを1ターンにつき与えられるようにならないと絶対勝てない。)など最たる例ですが、 いかにしてプレイヤーを「勝たせないか」、作り手が簡単に管理できるように「足止めするか」ということを中心に 設計されていると思います。

 「天外II」のそれは、プレイヤーを「足止めせずに」どんな状態で(レベルが何レベルであろうとも、何を装備していようとも) 来てもいかにして気持ち良く「勝たせるか」ということが大前提です。つまり、お客様が良かれと思ってされたことやプレイスタイルを、 全面的に受け入れた上でいかに手強い敵を演じて接戦に持ち込み適当なタイミングで負けてさしあげるかがボスキャラの役目なのです。

 いろんなタイプのプレイヤーのRPGの進め方を分析して分類し出された、それぞれに対応した何百もの接待用の補正値の集合体。 それが「天外II」の「部分」の戦闘ルーチンです。

 さらに「天外II」には、その上位の「全体」を司る調整も併用されています。具体的に言うと、5時間前に AパターンでBレベルのCボスに勝った方は今、目の前にいるDボスはEパターンかFアイテムで勝つ可能性が高い。 ゆえにCボスとDボスの間にはEパターンとFアイテムの学習をしていただくためのGザコが出る。こういうのがプレイスタイル別に 「部分」の補正として何百も配置されています。

 プレイヤーとして僕個人が,明らかに標準偏差の外にいることは承知しています。その個人の意見としては、 「天外II」のバトルシステムは「あざとい」し、それ以外は「うっとうしい」です。
 僕を含めたゲームデザイナーに、プレイヤーとしての僕が要望を言うなら「ほっといてくれ〜! 好きにさせろ〜!」です。

 その点でPCE版「リンダ」や「METAL MAX」や「ローグ」は、ゲームの外にも中にもおせっかいな奴がいないので、僕は好きです。
Alfa・MARS PROJECT