オープニングムービーに騙されて『リンダ』を買うんじゃないゾ!
97/09/16
発売も近いし体験版にも入れてもらったので、今回は遠慮なく“リンダキューブアゲイン”(以下リンダ) の宣伝をさせていただく。
“リンダ”は自分で言うのもナンだが、かなり面白い。これは保証する。最近ハズレのないSCEIからの、 それもRPGということで、どのゲーム専門誌の記事もけっこう好意的なはずだ。オトナのRPG、キレたシナリオ、 限りない自由度……さまざまな形容がされていると思う。
で、さらに作者本人がここで自画自賛しても読み物としてつまらない。そこで今回は『リンダの欠点』を 洗いざらい書くことにした。“内部告発”という趣向だ(笑)。これを読んで“こりゃ、ひでェ”と感じた方は 買わないほうが賢明である。
1:ゲーム画面はショボイぞ!
オープニングをはじめムービーの出来は構成、構図、スピード感、どれをとってもピカイチだ。
しかしこれに騙されてはいけないゾ、諸君! 本編のグラフィックは今どきのPSのゲームらしさはカケラもない。描き込みの密度が上がっただけで、 基本的にファミコン時代から何ら進歩の跡が見られない2D画面だ。 これはグラフィック担当者たちが手を抜いたわけではない。ゲームデザイナー、つまり僕の責任だ。 家庭用のマシンとしては当代随一の性能を誇るPSをもってしても、残念ながらリンダの本質的な面白さは、 あの前時代的な表現でしか再現出来ないと判断した。ゲーム性を多少犠牲にしても見栄えを取るほど 僕は器用なゲームデザイナーではない。 |
2:ゲームバランスが悪い!
ゲームスタート時から見える場所にはどこにでも行ける。となれば行きたくなるのが人情。自分とレべル差が
20もあるヤツと平気で遭遇する。逃げればいいのに戦ってみたくなる。もちろん一撃で天国。
リンダはそういうイイ加減なゲームだ。 盲導犬タイプの親切なRPGに慣れ切った軟弱な頭と体に、コントローラを投げつけるだけの ストレスを与えることを約束しよう。 |
3:シナリオAとBはエサだ!
リンダには3つのシナリオが用意されている。ゲーム雑誌を見ると、練られたシナリオとか愛
と狂気とか、サイコスリラーとか、シナリオAとBがさもそれらしく紹介されている。 だが圧倒的に面白いのはシナリオC。さらに熱いのが隠された4つ目のシナリオDだ。(開発 スタッフは今やこれしかプレイしてくれない。) 実は企画当初シナリオAとBは存在しなかった。シナリオCのみではあまりにシステム部分の 取っ付きが悪いので、初心者用のオマケとして追加したのだ。だからAやBはシナリオだけを評 価すれば、刺激的でけっこうよくできている。ただしCやDに比べると面白さの次元が凡庸だと、 個人的には思う。 |
というわけで、一応警告したゾ。
この辺りのコトをよーく納得したうえで遊んで欲しい。で、情け容赦のない感想を送ってくれ。
じゃ、うちの娘のリンダをひとつヨロシク。