“俺屍”のテーマ曲「花」
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●「花」との出会い 僕にとって“俺屍”の音楽はそのテーマ曲「花」に尽きます。 5、6年前に樹原涼子さんのコンサートに行き初演の「花」を聴き、 「コレだよ、コレ! コレなのよ。僕が探していたのは!」と 運命の出会いをしてしまったわけです。 コンサート終了後にマッハ3くらいのスピードで樹原さんを捕まえて あとはもォ「くれ! くれ! くれ! くれ!」の一点張り攻撃。 この時点での“俺屍”の制作進行具合はというと企画書レベル。 僕の中ではシステムは8割くらい見えていましたが、世界観すら 今と違っていましたし、シナリオもキャラクターもありませんでした。 たぶんSCEと契約も済んでなかったような気がします。 今思えば、こんな状況下で頼んだ僕も僕ですが、OKしてくれた 樹原さんもどうかしていると思います(笑) ●「花」の影響 つまりゲームの具体的なパーツとしては、最も初期に完成していたのが「花」です。 「花」という曲は聴けばわかりますが、品がいいのにアグレッシブ。 その詞は、なんでもないような易しい言葉で綴られています。 が、そこから伝わるメッセージは極めて強烈で断固としています。 というわけで、この時点で完成していなかったあらゆる要素が 「花」の洗礼を受けることになりました。 その意味では“俺屍”を牽引したのは「花」である、と言っても過言ではありません。 とくに影響を受けたのは目に見えないところですが、チューニング までも含めた俺屍の“肌触り”や“匂い”だったのではないかと、 僕は思います。 ●「花」の欠点: そういう重要な位置付けの「花」ですから、ゲームの中でも1番最初、タイトル画面から流れます。 ところがこの趣向には大きな問題があることに気づきました。 「花」を聴けば“俺屍”で僕が伝えたかったことのあらかたがわかってしまいます。 つまり極論すれば、わざわざゲームをする必要がない(笑) いやまあ、それだけ凄い曲だってコトですけどね… 桝田省治
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