No.19ヘイホーさん

定職が決まらず、日々の仕事を転々としていた日々。
大好きなテレビゲームもほとんど売ってしまい、残っていたのは学生の頃にお金を買ったROMROM本体とほんの少しのゲームだけ。
どうやっていくんだろうな、自分は、これから。そんなことを思って過ごしていた時に僕はリンダに出会いました。

赤くてやたらと目に付くパッケージは、ゲームを買うことをひたすら我慢して過ごしていた僕の背中をぐっとつかんで、レジに連れていってくれた気がします。
お財布はぺったんこになったけど、手の中にある、久しぶりに買ったゲームは僕の気持ちをワクワクさせてくれました。

同じ音楽CDを繰り返すばかりだったROMROMも、久しぶりの新作ゲームに胸が高鳴ってるよね、と思いながらCDをセットしました。
あの時のタイトル画面は今でも忘れられないです。

初めてのプレイは「厳しい!」と感じるバランスでしたが、何度もやり直したりしながらエンディングを迎えました。
ゲームの中で活躍する彼・彼女の姿をみて、こんなに頑張っている人もいるのに・・と、仮想世界の二人に思いを馳せたものでした。
僕もまだまだ頑張れる!そう感じたことは、当時いい年齢だった自分自身としては恥ずかしい想い出だけど、きっと忘れることが無い大切な記憶です。

あれから随分経って、仕事を手にし、家族を手にし、自分の未来だけを考える日々ではなくなった僕の手のひらのPSPの中に、あの想い出と一緒に蘇るリンダが居ます。
きっと、当時のことを思い出しながら、今の自分と比較しながら、プレイすると思います。
リンダと再び旅に出れる今日という日をしっかり踏みしめて歩いていきたいと思います。

素敵なゲームを産み出してくれてありがとうございます。
再び世の中に沢山のリンダを与えてくれてありがとうございます。

ヘイホー
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