新世紀エヴァンゲリオン2 戦陣記

戦陣記(10)
10.基本計画(6)
1.雑誌によらない告知を行う。(TVCMやWEBなどである)
2.優良な誌面になるよう雑誌に働きかける。

 この二つの命題を広報によらずして、うまくやるゲームシステムが仮に存在するとなれば、長期的に見て、それはエヴァンゲリオン2およびバンダイとアルファ・システム、ひいては業界全体の得になる。

 短期的に言えば、単独戦果はほとんどあがらない。これはゲームが常に後出しであるために起きる現象である。
 ユーザーが買ってだまされたという現象があるように、売り手、作り手にもいいのを作ったけど売れなかったということはある。これは大変身勝手な話をすれば、試用販売ではなく、雑誌の評価データが狂った場合に発生すると言える。
 試用販売なしにエヴァ2が発売される以上、短期的にはこれまでのフォーマットで評価、売上が確定するため、売上は動かない。
ただ、長期になれば長期になるほど、得になる。

 そのうえで、命題1と2のうち、2については1が達成した時点で成立する。
 雑誌の立場が弱くなった時点で生き残り策を雑誌側が立て始めるためである。
ほおっておいてもゲーム制作側より先に2は行われる可能性は高い。それは製品開発スパンが短いせいでより迅速に反応できる可能性があるためである。

このため、基本的なテーゼは一つになった。
1.雑誌によらない告知を行う。

 雑誌によらないとは、どういうことだろう。ゲームシステムがこれを攻略する時、もっとも攻め易いところは時間である。
 雑誌は現状、その主たる性能を購入するゲームを取捨するためのデータ提供においているので発売後のフォローが弱い。まずはこれを突く。発売後に性能が伸びて行くようなゲームの方が望ましい。
 さらに言えば雑誌は速度勝負だから、レビューでもなんでもさほど時間はかけられない。これも性能が発売後に伸びて行くようなゲームにすればいい訳である。
 この時間による性能向上は中古対策にもなる。

 しかし、これだけでは足りない。もう一つ。こちらが主力である。
それは運用余地である。
 VS雑誌はVS雑誌のセオリーと同義である。
 雑誌の標準化された評価手法を超るプレイングの余地、すなわち運用余地が膨大であれば、そこに雑誌ではフォローできないものができる。

 雑誌がフォローできないエリアがあれば、そこを起点に、他のメディア、付帯的な攻撃的な意味の攻略本だったり、WEBだったりは、自動的に透き間を埋めようと活動をする。

 運用余地の大きさは時間による性能向上にもつながる。
そして、この施策が後に、ひどく面白い戦術を生むことになった。
(次々回へ続きます)
'10' 2003.12.24.Wed. 

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