新世紀エヴァンゲリオン2 戦陣記

戦陣記(19)
19 人は希望を持ち得るか(2)
 現時点の最高の戦術を使役可能なフライトエンベローブ、すなわち自由度を与えた時、プレイヤーはどうなるか。
 開発者の理想で言えば、その自由度を最大限に駆使してアクロバットをやってのけることである。

 だが現実問題として、アクロバットをやってのけることができる人間はそう多くない。損害が多いとは、このアクロバットをやってのけることが出来る人間の数の少なさを言う。

 どうすればアクロバット出来る人間、つまり適格者を増やせるか。それが問題であった。


20そもそも適格者とはなにか、それが問題である
 適格者とは、エヴァンゲリオン2のフライトエンベローブを理解した上で、これをコントロールしてアクロバットを引き起こす人間である。

 笑顔(IM)一発で庵野モードを切り替え、指先の動きでNPCを思うがままに扱い、望むストーリーメイクをするためには、まずゲームの挙動をある程度つかみ、予測出来なければならない。
 ゲームの範囲を小さくすることで、こちらの問題はクリアするとして、真の問題は、適格者とは誰で、どうやって量産するかにつきる。


 人間は人間の考えるよりは随分優れている、統計では人類の98%まではエヴァ2の作り出すフライトエンベローブ内を自在に操れるはずである。残りの2%はそもそもエヴァンゲリオン2を購入出来る段階ではない。
 とはいえ、実際にはこのうち1%もアクロバット可能にはならない。
 これは統計上、ゲームに限らずたくさん実例がある現実である。
人間やればパラシュート降下だろうが電話帳暗記5分だろうがさして苦労はなく出来る、が、知ってる限り我の周囲にはこういうことを出来る人を見たことがないという訳である。

 アクロバットは出来るが、出来ない。先にあげた例も含め、出来るが人間は出来ないというのは多くある。当然エヴァもそうなる事は予測された。さらに言えばここで階級格差が出る可能性もあった。

 これは、勉強と同じである。出来る人間は出来ないのが分からない。
出来ない人間は、その理由に身に覚えがないので、困るというものである。
 これは共通の事象を原因にする。両方出来る原因が分からないためにこうしたことが起こり、最終的に階級闘争になるのは歴史的に見て枚挙にいとまがない。

 エヴァンゲリオン2では人類の懸案であるこの問題に対して対応することにした。
'19' 2004.1.19.Mon. 

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