26 リタンダンシーの話 設計余裕がかなりあるエヴァンゲリオン2は、必要であれば3年から8年程度のサービスライフを持つ。 ありていに言えば改良余地が十分にあり、その気になれば改良型を続々投入可能である。 一般的なRPGと比較すれば、その改良しやすさは十倍を超えるので、ちょっと追加すれば性能は顕著に上昇すると思われる。
これはガンパレード・マーチがユーザーの機能強化の要請に、ほとんどと言うかまったく応えることが出来なかった反省から生まれている。
それに余裕がある方が、開発期間はかなり短くなる。調整期間を短縮できるのである。 その分、いろいろな機能を増やせる。まったくエヴァンゲリオン2のIM(コマンド)が800を超えるのはこのためである。前作比15倍のコマンド数増加、組み合わせ順列1兆倍は、この十分な余裕によってもたらされた部分が大きい。
とんでもなく余裕があるので、他のゲームと違って、そう我がまだ子供だったころのゲームのように、自分でゲームの改良案をいろいろ思いつけるくらい、豊かな土壌になっているはずである。これは第一線でネタ切れ(補給切れマーカーが乗っている)企画者にはかなりのメリットを与えることになるだろう。今度は技術供与してもアルファしか作れなかった、などという事態にはさせない。日本の誇る高い現場レベルの量産改良技術を十分生かせるはずである。
一般に同じ予算の場合、設計余裕はより少ないほうが無駄がないと言われているが、それは非常に古い設計工学の話で、現代的な観点では無駄をなくそうとするコストのほうが無駄であると言える。
次世代のハードウェアでは、これまでの無駄をなくそう、ぎりぎり一杯までもったいないからなにかしよう的アプローチではたちゆかなくなる。 今回はそのテストケースになると思われる。 |