30 エヴァンゲリオンの空間(2) 再編成した現状(当時): エヴァンゲリオンは色々な因子がつくった物である。 同時に、全員が満足しているとは言えないものである。 それは色々な因子がそれぞれ正しいながら、背反を起こしているせいである。
大目的が同じ皆それぞれが、それぞれの正しいことを言う。 だが、それが一つの答えとして完結したとき、それは一部の正しいを排除する。
真に全員を満足させることは、今後何年も出来はしないだろうが、そのための道筋を作りたい、と思った。
論理展開をやり直し、今度こそ正しいと思われる手法を編み出す。 我は中野坂上のビルに登った折、岡本氏に論理の歌を歌ってみせた。
エヴァンゲリオンは色々な因子がつくった物である。 同時に、全員が満足しているとは言えないものである。 それは色々な因子がそれぞれ正しいながら、背反を起こしているせいである。 だが、それが一つの答えとして完結したとき、それは一部の正しいを排除する。
全員が満足しうるエヴァンゲリオンは、形として存在し得ない。確定状態になったときに何かを犠牲にする(背反する一部を切り捨てる)ためである。
ゆえに我思う。万民の正解たるエヴァンゲリオンは空間である。
回答: 製品はエヴァンゲリオンとなりえる色々な因子を、そのままの形でパッケージする。 同時に、可能な限り、多くの人々が満足しうる空間的ひろがりを持つ。
製品はエヴァンゲリオンなのではなく、エヴァンゲリオンになりえる可能性を持つおもちゃ箱である。当時の、あのときに参加した人々が、再度参加できる空間こそがエヴァンゲリオンである。答えはいくつもある。それを一つに決めようとしていたのが、我らと先人の失敗である。
我はエヴァンゲリオンの空間を設計するをもって全員への回答とする。
岡本氏は腕を組んだまま椅子からひっくり返り、ひっくり返ったまま、さっさと熊本に帰って、そのわけの分からんものを作って来てくださいよと言った。
「そうします。ああそれと」 「予算ですか、期間ですか?」 岡本はリアリストだった。
我は笑うと、リタンダンシーがいると言った。 「いえ、空間に終わりがあると、この解ではいかんのですよ。だから私は、終わりをなくしたい。未来への広がりを持ちえる構造にしましょう」
岡本は笑ったようだった。 「まあ、よく分かりませんがやってください。責任は俺達以外の誰かにおしつけますよ」 岡本は真のリアリストだった。そして言った。 「そしてタイトルは、みんなのエヴァンゲリオンだ」 |