新世紀エヴァンゲリオン2 戦陣記

エヴァンゲリオン2 コラム  戦陣記(3)
4.エヴァンゲリオン2製作直前の状況と基本政策(2)
 一方、我が栄光の赤貧株式会社アルファ・システムである。
アルファ・システムは火力闘争するだけの金銭をもたない企業である。
今の時代ではもう珍しい、古来からの戦闘教義を今も伝えるシーラカンス企業である。
 そのア戦闘教義は、古き良きゲーム業界勃興時そのままである。
時代時代の最先端の技術を投入して、プレイヤーの良き好敵手としてプレイヤーに挑戦し、腕競うことと創造することを奨励することがそれである。
 金魚鉢を頭から被ってお団子光線銃で銃撃戦するような会社と、される。
 地域に根差した日本らしい日本企業で、酒をこよなく愛する。
そんなところも、古臭い。

 アルファは独立傭兵部隊であり、全方位外交を展開している企業である。平たく言えば系列のない下請けである。
 社長以下全員が有事の際は現場で働く能力をもつ、国民皆兵、永世中立、主たる産業は傭兵。と、いかにも僻地の弱小企業らしい体質をもった会社である。
 交通の要所にあれば、あるいはベネチア共和国のような存在になったかもしれない。だがアルファは、そうではなかった。ほんとの僻地、熊本に拠をおいていた関係で、忘れられた王国というような感じになっていた。忍者の隠れ里のような会社である。しかもこの会社、他都道府県に支社がない。
 その会社が生き残るためには外に出て戦うしかなかった。提携先はいつも県外である。これは設立当初から今に至るまでのアルファのスタイルである。基本が外征軍で、傭兵というスタイルは地勢が生んだ賜物である。
 その隔絶した環境で、なお、アルファが生き残ったのは、外界との連絡がかろうじて出来たからにほかならない。その連絡を担当しているのは、アルファ最大の戦力と呼称されるファン達である。
 ファンこそは隔絶を踏破して忘れられた王国にたどり着き、行き来しながら外の世界との連絡をとり、新しい血をもたらす存在である。
 ファンが情報を提供し、ファンが宣伝し、ファンがユーザーサポートを担当する。(どうかすると社員になり、仕事を探してきてくれる)
 ファンのいるところがアルファ・システムの版図、社長の現在位置がアルファの本部と呼称される。
'3' 2003.12.12.Fri. 

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