5.エヴァンゲリオン2製作開始 火力戦において最も恐ろしいのは対砲兵砲戦、つまりカウンターバッテリーである。これは同じようなプロダクトで正面切って競争することを言う。 札束で頬をたたき合うとは愚の骨頂のように言われているが、これはある程度までの商売に限っては完全に正しい。 言い方を変えれば普通、直接競合は愚の骨頂というわけだ。
バンダイはこのカウンターバッテリーを、砲の分散配置で回避しようとした。
それゆえ、常に分散先を探しており、その一つがエヴァンゲリオンなり、アルファだったのである。
オファーは当然ながら今までと違う場所からの砲撃。 アルファはバンダイに雇用され、そのウエポンシステムに組み込まれることになる。
このころバンダイは十分な準備砲撃(資金投入)によって、エヴァンゲリオンという商材における正解域をほぼ、つかんでいた。 正解はない。という正解域である。ようは、既存のジャンルでは対応不可とされたことを言う。
アルファ・システムに要求されたのは、その既存のジャンルの外へのアプローチであり、アルファは伝統的にそういう仕事に非常に熱心であった。火力戦を嫌 うアルファは、それゆえに未踏破の地帯を使った奇襲作戦を好んでいたのである。 かくてアルファは、それ以外の何かを求めて戦闘を開始することになる。
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