1945年
1939年から勃発した第二次世界大戦は、意外な形で結末を迎えることになった。
月と地球の間、24万kmの距離に突如出現した黒い月。それに続く、幻獣と呼ばれる人類の天敵の出現である。 幻獣。それは要するに、大きな怪獣である。
人類同士の戦争は、そこで終わってしまったのである。
それから、50年。
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1999年
世紀末だ、世界の終わりだ、赤字国債で首が回らない、そう叫ぶ今一つの日本、怪獣にいつも上陸される大お得意様日本の地方都市では、ついに学生が戦車の操縦を学ぶ時代になってしまった。
高校生VS怪獣と言う、アニメが好きなその筋で言えば痛快な構図であるし、社会派をきどるなら、学徒動員とその悲劇と言うこともできよう。 それもこれも、いつも怪獣にしてやられる日本の自衛軍が悪いのである。 ともあれ。 地方都市というのが何ともローカルであるにせよ、あるいは守るべき土地が、郊外の宅地および田園と言えど、「ついに」そういう事態が起きてしまった。 物語は、こういう状況と事情とその他もろもろに流し流され、たどり着いた少年少女が、戦車高校というそりゃまあ戦時中らしい名前の場所に、かり集められるところから始まる。 |