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「学校やめて…どうしてるの?」 妹人は、威勢良く立ち上がって、高台から街を見た。見ようによっては、寂しそうに見える横顔で。 「委員長とはゼンゼン関係ないっ。…よし、体力回復終り。病院に連れていくよ。」 本当は本格的に熱が出てきて、寒気がしていたが、佳々子は、慌てて言った。 少しでもこうしていたいと、願っていた。 「…あの、あのね。大木くん。さっきは、どこに行こうとしていたの?」 佳々子は、無意識に聞こえないふりをした。それ、さっき聞いた。とても嫌な 言葉。 大木くんだけには軽く言って欲しくない言葉。 「師匠の最後の教えなんだ。そいつが俺を、一番強くしてくれる。」
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