1.SIDE−A

細い光の帯が、母にて広き泉に差し込んでいた。 岩盤のドームの隙間から、陽光が漏れていたのである。

 ヘヒトンボが、連なって飛んでいく。

一人のが、泉の端に、下半身を半ば沈めるようにしてうつ伏せに倒れていた。 泉にを溶かしながら、眉をしかめ、意識を失っている。右手が、苔を掴んでいた。

2.

大きな鈴の音が、した。
「…」
妹人は、片目を開けた。その瞳に、人影が映る。

委員長?…違う。」

 そして妹人は、再び意識を失った。

3.

 泉で沐浴しようと、服を脱いでいた水の巫女セーラは、不意に岩場の辺りを見て目を大きく開けて凍った。

が、居た。

倒れていたが。 水の巫女は、頬にが一気に上がっていることを感じた。 この際、沐浴しようとしているところにが近くにいることが重要であって、別に怪我をして倒れていることは大したことではない。



     
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