小村 佳々子(こむら いいこ 17歳未熟)は、波の音で目を、醒ました。
高く見える、岩の天井。
目を細めた後、佳々子は眼鏡を捜して顔の上あたりをさぐって、眼鏡をかけた。
脚が、手が、身体が波に洗われている感覚。
だが佳々子は、動かなかった。頭の中が、あの人が撃たれるところで、止まっていた。
佳々子は、泣いた。