8.
ばあやさんと佳々子は、駱駝鳥に乗って街の中をひた走る。
「ちょっとちょっと、そんなに急いで。どうするの。」
「…名前が、聞こえました。…あの人達、たぶん、キミに言っている。」
「??…何を。」
恐ろしい人だかり。
叫び声 。
佳々子の瞳に、色々な文字と記号が浮かび上がる。
地面が、揺れる。
「…私が…? でも…」
叫び声 に耳を塞ぎたくなるような悲鳴 が混じる。
佳々子は、顔をあげた。
「ここで、下ろしてください。」
「…さっきから…あなた…」
「でないと、間に合いません。」
人だかりが、恐怖 で崩れる。
「お願いです。」
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