「…まだ終ってません。」 佳々子は、だんだんと近づいてくる竜の叫び声に膝を笑わせながら、込み上げてくる恐怖 と戦いながら言った。
「生きている限り。」 立ち上がって水の巫女の横を通りすぎた佳々子は、巫女をかばって竜と相対した。 「…そう思う…よね。」 佳々子は、震える声で地面を見て言った。
小さくうなずく佳々子。 「…そうだね。…そう。」
佳々子は、小さく震える小さな手で握りこぶしを握った。
「私の好きなあの人は、どんな時だって、あきらめたりはしなかった…」