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「ミスター。ご命令を。」
「突撃準備。」 恐ろしいのは、自分でこの殺し合いの練習を、面白いと感じていることだった。 今では、考えていることと、命令することをまったく別におこなっている。 「良い判断だと思います。援護射撃のための要員はどうなさいますか。」 「君にまかせる。」 「了解です。ミスター。」 若宮は、微笑むと善行の肩を叩いた。士官教育のために駆り出された兵達に命令を伝えに、背を向ける。 善行は表情を消して眼鏡を押すと、頭をふった。視線に気付いて顔をあげる。 「ミスター?」 「…今、女がいませんでしたか。」 「気のせいでしょう。まだ戦場に女が立つ時代ではありませんよ。…まだ。」 「…すみません。」 「いえ、突撃ですが、どうしますか。」 「ああ、そうですね。突撃しましょう。次に射撃が切れたタイミングで、開始します。」 |
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