![]() |
長い沈黙に、原はちょっと頬を赤らめた。 善行は、眼鏡を指で押した。丁重に聞こえなかったふり。 「綺麗な手ですね。」 原はびっくりして善行の顔を見た後、善行が真顔なのに呆れて、さらに頬を赤らめた。
「何言ってるんだか。」 それが反撃のつもり? という目で原は善行をにらんだ。平然と受け止める善行。
「整備の練習ばっかりしていた手が、綺麗なわけないでしょ。」 原は、動けなかった。
善行が、手を伸ばし、原の腕を掴む。引き寄せた。
原は、前髪を顔にかけて、震える目で善行を見上げた。 「それから、慣れないことすると、地が出ますよ。以上終りです。」 |
|
(C)2000SonyComputerEntertainmentInc |