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/*/ 2月。善行は日本の参戦で持ちなおした戦線の内側で浸透を図る敵の掃討を行っていた。輸送車両をもたない歩兵、すなわち機動力のない歩兵に出来ることとして、当然あるべき一つの方策であった。 双眼鏡を手にした善行が手を振ると、それまで誰もいないように見えた風景がにわかに動き出し、茶色と緑に擬装した兵が次々と現れた。 善行は音もなく手を振った。 顔をペイントした若宮がうなずく。 森の中から、車道に対して擲弾銃が猛烈に火を吹いた。 車道の上を列を成して移動するどこかユーモラスな幻獣ゴブリンの群が、大きく手を振って吹き飛ぶ。 善行は若宮に視線を送った。 森から現れ、車道に面する斜面を滑り降りるようにして兵達が駆け下りる。 ナーガは紅い瞳からレーザーを放った。一瞬の光の後に森が焼き払われる。 一際大きなナーガには手榴弾が投げ込まれた。 爆発。 20分ほどで戦いは終わった。 /*/ 善行は万が一にも敵の援軍が来ることを警戒し……幻獣は同胞意識が強い……、すぐにも部隊を移動させたが、その前に最低限のことはやった。 「いきましょう」 善行と小隊は再び森の中に消える。
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