それはずっと、待っていたのだ。そしてこれからも、ずっと待つだろう。
それは万物の心の上に現れる、不撓不屈の無敵の戦士、それを作り出すであろう、祈りと、願いであった。
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エリザベスが苦笑するように、隣のタキガワは苦笑した。そして靴音に、耳をそば立てた。
腹に響くような、そんな音。
大地を叩くその靴は、地響きのような音を立てている。
それは、高慢なことで知られる正義の女神が肩に乗っているからだと、靴音の主が説明していたことをタキガワは思い出した。
それがね、そいつってば、デブなのよ。だからきっと、それを乗せた人の足音にも現れるのね。
「すみません、知り合いが来たんで」
タキガワははじかれるように壁から背を離した。
「ははぁ、アレが彼女か」
エリザベスが笑う。そして背を叩いた。
「ま、うまくやりなさいよ。そして振られたら、私の部屋にでも来な」
タキガワは聞いてない。走って、再始動を待つ士翼号に走った。
大声で声をかける。
「地球にいつ帰ってきたんです!?」
「12秒くらい前かな」
タキガワの声に振り返った白い帽子を被った女は、200年来の友達のように言った。
「よう、元気してた?」
肩に、奇妙な機械の竜をつれているその女に、タキガワは2回助けられた時がある。
汎銀河大戦最大の激戦、メテオシャワーの戦いの時と、火星でのゆかり救出作戦の時と。
女は、そしていつもと同じように歯を見せて笑っている。