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■キャラクターデザインについて
--「本当は、犬の忍者のおじいちゃんていうのがいたんですよ」
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――では次にキャラクターデザインについてお話を伺いたいと思います。
最初に『暴プリ』をやろうと決まった時に、ルージュに対してイメージが決まっていた所はありますか？
ルージュはプリンセスだから、とりあえず記号があるじゃないですか、王冠っていう。わたし自身、服もヴィ ヴィアン（ヴィヴィアン・ウエストウッド）みたいなブランドが好きなので、なんとなくイメージはありました。
――今までルージュのような「前髪パッツン」の主人公っていなかったじゃないですか。そこが可愛いと評判なんですが、ああいう今の形のロリータ系の髪型にしようっていうのは決めてました？
王冠＝ロイヤルちっくっていうイメージで、でもそれだけじゃつまらないから「ロリータ」を加えようかなって。だから、ロリータの記号の一つとしてあの「前髪パッツン」。耳もそれを意識して、他のキャラより大きめにしてあるんですよ、前髪と耳でバランスを取ってるんです。
――個人的にルージュのルックスでこだわりのある部分はありますか？
衣装は結構気に入ってます。自分なりに上手く記号化できた感じですね。こだわっているところは、やっぱりバランスを考えたメリハリでしょうか。ゲームする時に見栄えがするように、大きいところと絞るところのメリハリをすごく意識してます。手の先にボリュームが来るの好きで、それで皆袖が大きかったりするんですけど（笑）。アトムみたいに手足が大きいの好きなんですよねぇ。
――実際作ってもコスプレ栄えする衣装ですよね。スカートにもボリュームがあって、靴はおでこっぽくて。そういうおしゃれさがコスプレイヤーさんに人気な理由なんでしょうね。
そうそう、見えないけどドロワース（カボチャパンツ）もはいてるんですよ！
――じゃあコスプレイヤーさんは是非ドロワースもはいてくださいと（笑）。
はいてくださいね〜（笑）。
――じゃあ他のキャラクターについても一人一人聞かせてください。
まずシオンについて。何かポイントになった点はありますか？
シオンは、実はあんまりデザインで苦労してないんですよ。一番のポイントは、素手じゃなくて白い手袋ってトコですね。 そうそう、この間のゲームショウでシオンのコスプレをして来てくれた方に、「シオンの服ってプロテクターがないと、ホントにお坊さんみたいだね」って言ったら彼ショックっぽかったんですけど…、シオンは僧院で修行を積んだ僧院生なのでOKなんですよ！
――桜瀬さん直々にOKが出たということで彼も喜ぶんじゃないでしょうか（笑）。 じゃあ次に、アッシュについて聞かせてください。
すごく後から出てきたキャラなんです。いなかったんですよ、元々は。それまではいわゆる「水戸黄門編成」で、ルージュが水戸黄門、ジャスミンが助さん、シオンが格さん、ココが八兵衛（笑）でした。
で、ある日桝田さんから突然「もう一人増やしてもいい？」って相談されまして。シオンの幼馴染みでライバルが欲しいんだけど、ってことだったんです。初めはちょっと戸惑いました。シオンはプレイヤーキャラだし、こっちに花を持たせれば大丈夫なんじゃないのかなぁって。でも桝田さんが「僕が小さい頃は将来を約束してた女の子が二人はいたね#って言うんで「ああそう」って（笑）。
――ま、桝田さん…（笑）。
だから基本的にはシオンと正反対。シオンが白ベースなのに対してアッシュは黒。シオンが丸いイメージだから、アッシュはシャープにしよう、みたいに。
――でも思いのほか、今アッシュ大人気ですもんね。
そうなんですよね、実はちょっとビックリしてます。
あと、アッシュの眼帯。彼の設定は傭兵だったって聞いてたので、その名残が欲しくて付けてみたんです。そしたら桝田さんから電話がかかってきて「あれは生まれつき？それともケガ？」って。で、わたしが「傭兵時代のケガのつもり」って言ったら、それがヒントになってキャラクターがふくらんでいったみたいです。「生まれつき彼の目のことをルージュは差別しない」って言う設定があったら、それはルージュの内面を説明する部分にもなるじゃないですか。それで「小さい頃からアッシュは眼帯をしていた」というのが面白いんじゃないか、と。
――じゃあそれは偶然生まれた設定なんですね。
そうそう。ケガのつもりでつもりで描いたけど、そこから彼の子供時代の要素が生まれちゃったんです。本当に偶然。
――次はフィルについて。どんな風に作られましたか？
フィルはこのチームの中で一番最後に出来たキャラです。魔法使いって聞いていたので、なんとなく背はちっちゃくて幼くて、でも賢い！侮れない！っていうイメージがあって。何故か「大きい帽子を被せよう」ってそれだけは思ってたなぁ。でも、あんなの被ってたら重いですよね（笑）。最初はもうちょっと大人っぽかったんだけど、シナリオを読んでみたら案外抜けてたりオッチョコチョイだったり、可愛い部分が見えたのでだんだん変わって。
――フィルの色のイメージとかってあったんでしょうか？
もう好みで（笑）。キャラの中で一番好きな色合いですね、たぶん。こう、なんていうんでしょう、う〜ん、中途半端な色…（笑）。
――美しい中間色と！言ってください（笑）！
では次はココについてお願いします。
ココは一度大幅なモデルチェンジがありました。初めはすごく中性的に作っていたんですが、桝田さんが「ルージュに同性の友達が必要だ」って。本当に好かれる女の子って、同性からの支持が厚いっていうのがあるじゃないですか。で、女の子という記号を出す為にコスチュームがちょっとセクシーに（笑）。動いた時に可愛く見えるように、尻尾とか鈴とか付けたんですけど、ポリゴンにする時に、他にマントキャラも多いし大変だったみたいで…後でわかって申し訳なくなっちゃいました。あと、ポリゴンで言うと、ココの手の指は五本なんですよ〜！猫と一緒です。四本に見えるけど、本当は五本なんです。それから首輪の後ろに付いた大きなリボンがポイントなんですよ！（涙）
――イラストはバッチリ五本ですもんね！ちなみに、ココの表情は桜瀬さん家の娘さん（猫ちゃん）たちを参考にされたんですか？
そうですね〜、猫だし。口開けてる顔とか。元々わたしがアイディアを出したのが最初から猫だったんですよ。ルージュもシオンもジャスミンもココも、わたしが「こういうキャラはどう？」って描いて送ってるんですよ。
――桜瀬さんの提案したキャラクターがそのまま使われているんですね。
桝田さんは「わたしがノって描いたものならOK」って思ったのかな？めでたく全部ゴーサインが出まして。あ、でも一人使われなかったのがいましたけど（笑）。本当は、犬の忍者のおじいちゃんていうのがいたんですよ〜。
――見たかった〜（笑）！
その子はココと対極にしたくて、ちょっとシブくて怪しめの「弥七キャラ」だったんですよ。「なんとかでござるニンニン」みいたな人だったんですけど、それはいなくなっちゃって。ちなみに、ココは「八兵衛キャラ」なので、いっつも腹ペコ（笑）。
――ジャスミンは最初からいたんですよね？
ええ。でも初めは女の人でした。わたしが一番はじめにアイディアで描いたのは、彼女は龍族の末裔で哀愁漂ってる…みたいなキャラクターだったんですよ。顔を隠してて、謎の美女みたいになってましたね。
でもキレイ系オ●マキャラっていうのも描いたことなくて、描いてみたいなぁと思ってたんですよ。綺麗どころもいなかったし、ちょっとお母さん的なところでルージュと仲良しでっていう。で、また桝田さんがそのキャラクターを生かした設定を考えてくださって、みごとジャスミンは謎の美女からオ●マさんになりました（笑）。衣装に関しては、シルエットや色を和風にしたかったので、ちょっと着物っぽくなっています。
――確かに和服っぽいですね！髪も結っていますしね。
そうそう、髪をおろしたジャスミンていうのも描いてたんですが、芝村さんにすごく好評で。アルファさんの会議室に置いてある資料見て「おっ、いい女」「あ、芝村さん、それ男…」って（笑）。
――芝村さん、アルファさんのインタビューのときも「ジャスミンが好き」って言ってましたよ（笑）。ちなみに、ジャスミンが肩を出しているのも何か理由があったんですか？
その当時の設定に「ここらへんでセクシーさを強調」と注意書きが…（笑）。わたし、どこかでバランスを崩すのが好きなんですよ。
ココにしても「可愛いけど大飯食らい」とか、ルージュにしても 「一見可愛いのに強暴」とか、「実は○○」っていうのが。 ジャスミンもキレイっていうだけではつまらないから「実はすごい怪力」っていうのを入れたかった。ヘンリーと瓦礫に埋まっちゃった
後に、ジャスミンがひょいってヘンリーを抱き上げるシーンがあるんですけど、実はそれはわたしの提案（笑）その他にも「怒ると男言葉でスゴむ」っていう案もあったような？
――皆さんに誰萌えか？っていうのを聞いているんですけど、桜瀬さんはいかがですか？ご自分で描かれているので難しい質問だとは思うんですけど（笑）。
う〜ん、萌え記号としてはシオンの手袋…かな。
――あっ、わたしも手袋好きです（笑）。
ちなみにわたしの萌え記号は手袋と白衣と袴なんで（笑）。ちょっと知的で凛とした感じが好きみたい。清楚・精錬みたいな。
――桜瀬さんの漫画とかイラスト集を拝見して、すごくキャラクターの表情が人間臭くて可愛いなって思ってたんですよ。
そうですか？嬉しい〜。描いてる時って、そのキャラの表情になっちゃうんですよね（笑）。
――桜瀬さんの表情豊かなキャラクターの表現がすごく好きなので、『暴プリ』は個人的には大ヒットだったんです（笑）個性豊かなキャラクターばっかりですもんね！
そうですね、ポリゴンも表情豊かだし、顔グラも頑張って描いたので、素材はとても良いものが出来ていると思います。ルージュとシオンとアッシュ三人の幼い頃の写真みたいに、一枚絵をもっとたくさん入れたかったっていうのはありますけどね。
――ポリゴンも動きがキレイでしたよね。あったかい感じのポリゴンですし。
距離がね、わたし名古屋じゃないですか、でポリゴンさんは東京、桝田さんは千葉、芝村さんが熊本でバラバラでしょう。その場に集まって「こんな感じにしてみようよ#って出来ないんですよ。それでもアルファさんから来たものに細かくチェックを入れたりして、やりとりした結果があそこに出て良かったって。色も優しいし、可愛く出来上がったと思います。
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