3.事件にはまったく関係ない想い出

 一緒に父親と風呂に入っている4歳当時の大木妹人(おおき まいと 4歳男)はに衝撃的なことを聞いた。

「好き嫌いをなくして、はやく大きく強くなるんだぞ。」
「なんで。」

 妹人は水遊びならぬ湯遊びをしていたが、上を向いてバカっぽい顔で素直にきいた。 湯船の中のは、よく顔が見えない。

「そりゃきまっているだろう。お前父ちゃんを倒さなきゃいかんのだからな。」
「なんでー。」
「そりゃ、お前だからだ。は最終的に親父と戦って勝つのが目的だからな。」
「俺、父ちゃんと戦いたくないよ。」
ばかが弱気なこと言うんじゃない。強くないとな。


 10日後は行方不明になった。


 この少年が強くなることを生涯のテーマとすることになった理由がこのやりとりであったのかどうかは不明である。



          
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