4.事件の犯人に関する行動報告

「居た。居ましたでガンスよ。」
「人数1です。照合よし。目標です。
「よくやったよぉー。ガンスノッポ。」
「えへへへ。」「ふっ。」

商店街の路地裏で、黒服二人にはさまれて、なんだか年齢に似合わない白いサマードレスを着て麦藁帽子を手にした悪の秘密結社の自称プリマドンナ、ポイズン・レイディ(略称PL31歳女)はにっこり笑った。人の良さそうな人が悪だくみでにんまり笑うような笑いである。

「間に合ったね。まだ2時間もあるじゃないか。」

その視線の先には、お下げで眼鏡の女子高生が歩いている。

 5.事件に巻き込まれた被害者1に関する報告1

 お下げで厚い眼鏡で長いスカートというそれはもう全然駄目な女子高生、小村 佳々子(こむら いいこ17歳女)は、ためいきをついてヨレヨレと商店街を歩いていた。

なんだか昨夜から熱っぽいところを、彼女を心配する親友に医務室に連れていかれて、早く帰って寝れ校医の女医に言われたのである。  ひとりだけで、ちょっと早めの帰宅である。

額に細くて白い手をあてて彼女が考えていたことは、実はのことであった。 残念ながらあまりなことではない。彼女はそういうことが苦手である。  熱が、ある。 彼女はそう思った。そして熱病にうなされるようにして、胸中を思わずつぶやいた。

「大木くん。」



          
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