12.事件の犯人に関する行動報告その3

「お待ち、そこまでだよ!」
お嬢、そりゃ悪役のセリフじゃありませんって。」
おだまり、このバカ男あんたみたいな男が前の亭主みたいでダイっ嫌いなんだよ!」

「なに、そのおばさん。」

 なんだか年齢に似合わない白いサマードレスを着て麦藁帽子をかぶった悪の秘密結社の自称プリマドンナ、ポイズン・レイディ(略称PL31歳女)は、額に手をあててフッっと倒れた。

お嬢ぉぉお!
「よくもお嬢をでガンス!」

大木くん…」
委員長。俺の後ろに隠れてて。」

 さして広くもないが、佳々子にはめちゃくちゃ頼もしく見える背中を見せて、我らの主人公、大木妹人(おおき まいと 17歳男)は、ふっと笑った。今、はじめて委員長の事を考えはじめたのである。本当に二つは物事を考えきれん男であった。

「ちょっと待って。気分、悪いんだろ。すぐ病院に連れていくから。」

お嬢マリアナ海溝の底まで深ぁぁく傷つけたお前の名前を聞いておこうか!」
「まだ名乗るだけの男じゃない。強いて言うなら、サムライになる男だ。」
サムライってなんだ。」

 ノッポは腕を組んでそう言った。日本には無知であった。 それなのに、なぜ日本語で喋っているかは謎である。  我らの主人公、大木妹人(おおき まいと 17歳男)は真顔を向けた。



          
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