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「俺、助けられたのか。」 「委員長は…あいつらはどこだ。」 「そ、そう、それならいいけど。」 「…くそ。俺は、負けたのか。」 水の巫女は不意に顔をあげて歯をくいしばった。 「…行かなきゃ。」 我らの主人公大木妹人(おおき まいと17歳本気)は頬を両側から引っ張られた。 恐い目つきの水の巫女が、顔を近づける。 「わーたーしーのー、ほーうーをみーてー、はーなーしーなーさい!」 妹人は、とりあえずうなずいてみた。手が放される。へたりこむ水の巫女。 肩で息をしながら、水の巫女はなんだか すごく疲れた。男というものについて色々聞いていたが、まさかこうもお調子者で手が掛かるものとは思っていなかった。 その上、ことごとく悪いタイミングで目を開けたり閉じたりしているではないか。 全ての水を統べる水、聖洞の主たるものが、威厳もなにもあったものではない。 「あの、悪いが教えてくれ…」 水の巫女は、おそろしくうらめしそうな顔で妹人を見た。
質問を飲み込む妹人。 なんだか知らんが、とんでもないところに来たと考える。
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