翌日。
「何を、しているの。」 「練習。」
妹人は、レピアー<を構えて、突いてみた。年を経た女官が、首を振る。
「腕に砂袋をつけましょう。 あなたには、手首の強さとしなやかさが足りません。レピアーの扱いはまず、手首。右に、左に。そう。」
水の巫女は汗をかく妹人の顔を見て、横を向いた。 昨晩は散々泣いたのか、ひどい顔だった。
「ふっ、あんなに弱いのに、殊勝なことね。」 「はっきり言いますけど、私はもう、あなたに何も期待なんかしてないのよ。分かって?」
ちらっと、妹人の顔を見る。
「これでいいのか。」 「リズムを、身につけなさい。筋力をつけて、体が柔らかくなっても、それがなければ話になりません。剣は舞と心得なさい。」 「剣は一瞬という、師匠の言葉とは違うなぁ。」 「忘れなさい。レピアーの戦いは、突いては払い、突いては払うもの。攻撃は上半身を傾けておこないなさい。」