大の字になって考えながら天井を見る妹人の顔に、がかけられた。

「…」

 水の巫女だった。

「気持ちがいいな。もう一度やってくれないか。」

 怒った顔水の巫女は手を伸ばした。石畳の隙間から、地面から直接が湧き出してくる。妹人は一瞬水の中に沈んで、次の瞬間には、水が消えたのを見た。

すごいな。身体が冷えていい。」
「もう一度いいます、練習をやめなさい。
「…なんで?」
弱いくせに。」
このままだったらな。」

 妹人は、顔を傾けて泣きそうな水の巫女を見た。

「…それから一度言っておく、弱いことを、悪く言うな。弱いことをと思うのは、この世でたった一つの人種だけだ。」
「…なんですか。それは。」

サムライだ。あれだけは、己が弱いことをと思う。己が勝たなければならないとき負けたことを、恥辱と思う。全てを賭けてでも勝たなければならない一瞬に、全てを賭けられなかったことを、一生をかけて悔やむ。
「…」
「俺は、をそそぎたい。」

 自分を見ながらどこか遠くを見る妹人に、水の巫女は目をそらした。

「…それは、私の知らない人助けられなかったということ?」
「…すごいな。あたり…それも魔法

 水の巫女は、手を伸ばして激流妹人を押しながした。 涙ぐんだ巫女は、手に持っていた救急バスケットを置いた。

お調子者。最低の汚水にも劣る人。もう二度とあなた看病することはありません。自分で治療なさい。」



          
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