![]() |
18.
「…嘘、嘘…なんであのお調子者が来ているの。」 口元に手を当ててわななきながら、水の巫女は、特別に作られた観客席の椅子の中で、妹人の姿を見た。 「弱いくせに。ばあやにも一本だって取れなかったくせに。」
年を経た女官は、静かに言った。 「人が強くなるのに、そう日は要りません。まして男なら。…三日あれば、世界を揺るがすには十分。」
19. 長髪の剣士マンセイは、異国人風の妹人を見た。 ゴダロ様は不戦勝だと言っていたが、まあ、そんな物だろう。
そうでなくては、いかん。そう思った。 |
![]() |
![]() |