18.

「…嘘、嘘…なんであのお調子者が来ているの。」

 口元に手を当ててわななきながら水の巫女は、特別に作られた観客席の椅子の中で、妹人の姿を見た。

「弱いくせに。ばあやにも一本だって取れなかったくせに。」
「それは、昔の話でしょう。四日も前の。」

 年を経た女官は、静かに言った。

人が強くなるのに、そう日は要りません。ましてなら。…三日あれば、世界を揺るがすには十分。

 19.

長髪の剣士マンセイは、異国人風の妹人を見た。

 ゴダロ様不戦勝だと言っていたが、まあ、そんな物だろう。 そうでなくては、いかん。そう思った。



 
 


          
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