21.

妹人が飛び散った瞬間、水の巫女は身を縮めて目をつぶった。 両手を顔に当てて、しゃがみこむ。祈りの言葉が、漏れた。

 年を経た女官が、その肩に手を置いた。

あの男セーラ様の為に戦っております。信じておあげなさいませ。
「でも。」
「あれは、いい男だと申しております。」

 年を経た女官は、試合から目を離さずにきっぱりと言った。水の巫女が、見上げる。

いい男を見たら、目を離してはいけません。でないと…、遠くに行ってしまいます。」



          
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