「マンセイ! マンセイ!」
ゴダロが叫ぶに当たって、周囲の剣士達が一斉に立ち上がって声援を送り始めた。 その姿を見る周囲の観客が、目配せして総立ちになる。
水の巫女は立ち上がって、身を乗り出して声を出した。
「マイト…マイト!」
胸が痛くなるのを手で掴みながら押え、水の巫女は、声をあげた。
それでも小さな声は、だが、たしかに男に届いた。
そう、思った。
なぜなら妹人は、口の端を動かしたからだ。一瞬だけ。