26.

…こ、このお調子者。誰が試合に出ろと言ったんですか。」
「さあね。」

 妹人水の巫女は、お互いを見た。 水の巫女が、足を止める。

「…無謀な人。試合になんか、出なければ良かったのに。」
いつも深く考えているつもりなんだけどね…、いつも、そう言われるな。
あたりまえです。ばあやにだって一度も勝てないくせに。」

 水の巫女は、妹人にもう一歩近づいて文句を言おうとしたが、派手の音をさせて、妹人に抱きとめられた。

あれは…まあいい。そういえば、いつも転んでるな。やっぱり頭の飾り物が重過ぎるんじゃないか。」

 頭の左右についたゴロゴロと言わせて、水の巫女は、妹人を見上げて笑った。

「…今度は、頭をぶつけあわなかったから、いいんです。」




          
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