28.

反対だ! 異邦人に水の巫女は渡さん!」

一人を除き、ゴダロの周囲に座る剣士達が一斉にレピアーを抜きながら立ち上がった。

「何を!」

 水の巫女は、そう叫んだところで、同じ位の背に隠された。 妹人だった。

「…悪い。結局助けられなかったな。」
「いえ、あやまるのはの方です。…お許しください。は、あなたが試合に出るなんて思ってませんでした。」
は、が応援してくれるとは思わなかった。」

 囲まれる二人。

 水の巫女は、長い髪を揺らして、背中合わせになった。髪の先が愛する男の背に当たる。

最後の瞬間のその時まで、私を守ってくれますか。」
「承知した。」

水の巫女にっこり笑うと、次の瞬間、表情を氷のようにして腕を伸ばした。  地面から吹き出す激流が数名の剣士を吹き飛ばす。

「掟を破るとはゴダロ、悲しい人。水はすでにを選んだ。もはや水はお前達のものではない。人の物を奪おうとする、その報いを受けなさい。」
「ふざけろ! …やってしまえ!」

 地面から次々現われる激流が、剣士達を吹き飛ばす。




          
2001 (C)AlfaSystem co.,ltd All right reserved.