![]() |
28.
「反対だ! 異邦人に水の巫女は渡さん!」 一人を除き、ゴダロの周囲に座る剣士達が一斉にレピアーを抜きながら立ち上がった。 「何を!」 水の巫女は、そう叫んだところで、同じ位の男の背に隠された。 妹人だった。 「…悪い。結局助けられなかったな。」 囲まれる二人。 水の巫女は、長い髪を揺らして、背中合わせになった。髪の先が愛する男の背に当たる。 「最後の瞬間のその時まで、私を守ってくれますか。」
水の巫女はにっこり笑うと、次の瞬間、表情を氷のようにして腕を伸ばした。 地面から吹き出す激流が数名の剣士を吹き飛ばす。 「掟を破るとはゴダロ、悲しい人。水はすでに男を選んだ。もはや水はお前達のものではない。人の物を奪おうとする、その報いを受けなさい。」
地面から次々現われる激流が、剣士達を吹き飛ばす。
|
![]() |
![]() |