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近づく剣士の一人の腕を握りしめて引き寄せ、レピアーを奪って盾にし、蹴り倒して二人を再起不能にして、妹人は、言った。 「強いんだな。」
水の巫女は、そう言った。 己自身もしぶきを受け、濡れながら、水の巫女セーラはぴったりと妹人によりそった。 魔力が切れるまで戦い、このまま手を握ることも、唇に触れることもなかろうが、だから、どうした。 その瞳と、きつく結ばれた口が、壮絶に美しかった。 「戦闘の中で、なんですが、おめでとうございます。」 年を経た女官が、レピアーを突きながら、笑ってみせた。 「ずっとこの日を待っておりました。」 新たな水の激流が、また数人を吹き飛ばす。 今迄座っていた銀髪の男が、目をつぶって、目を、開いた。 ゆっくりと立ち上がる。そしてレピアーを抜いて。鞘を、捨てた。 「…水は男を選んだ! 水を守れ!」
ゴダロの叫びを圧して、男は、叫んだ。 「聞け、民よ!水は次代の者を選んだのだ!」 「そうだ、水を守れ!」
司会の男が、剣を取った。
そして、手に棒を、石を持って民衆は叫びながら突撃する。
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