11.

雨の音をききながら、佳々子は、コクピットの中で、眠ろうとしている。

「…キミのような人を知っているよ。…ロボットじゃないし。キミほど大きくもないけど。ハートは同じ。…誰かのために…手をさし伸ばす勇気があるひと。」

 佳々子はシートの上で、膝を抱きながら、顔をうずめた。
「…強くなりたいなぁ。…好きな人にかばわれるだけじゃなくて…」

「…好きな人を…助けられるような…そうしたら…好きに…」
 佳々子は、目をつぶって涙をさえぎって、眠りに落ちていった。


眠っても、見る夢は一つしかないと思いながら。



          
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