12.
夜明け。
ペリスコープが、一度右に行って、そして戻った。
「みつけました。目標です。距離、7500。」
「よくやったよ! ガンス!」
「前進でガンス。」
ジャングルネットで擬装した、ドクロの形をした戦車が現われた。ジャングルから躍り出て、夜明けの砂浜を疾走する。
「あの小娘、今度こそふんじばって任務完了!よ。」
「まったくです。」
「まったくでガンス。」
土煙をあげて、砂丘を潰すドクロの形をした戦車。
眼窩の部分から、二門の大砲が出ていた。
「…あれはなんだい。」
「さあ、この世界は第6世界の、銀河系中心動乱の余波がある世界ですからね。…多分生き残りの、人型戦車だと思いますが。」
「あの小娘、適性は?」
「分かりません。」
毒女こと、PLは、麦藁帽子をかぶりなおした。
「適性があると判断して行動。あの鉄屑をふっとばした後に確保する。主砲、装弾開始。」
「…気にしすぎですよ。」
PLはペリスコープから目を離してノッポを見た。
「小娘と一緒にあの子もいるかも知れないよ。あの子なら、なにがあったっておかしくない。」
「…失礼しました。」
「距離5000から砲撃開始。 一番二番交互。六射。奇襲する。」
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