4.
−おまたせしました。−
黒服眼鏡でノッポの男は、そう大書されたシャツの上から黒いジャケットを着込むと。指で眼鏡を押した。
「今回は、うまく行きますかねぇ。」
「大丈夫さ。今度は考えたよ。」
「まったくでゴンス。」
「ガンス、ひさしぶりの登場でセリフ忘れたのかい?」
PLは、制服である黒服に身を包み、三人乗り原付を運転していた。かなり微妙なバランスである。なぜなら、普通の原付に三人乗っているからである。
「あの小娘、今度は絶対ギャフンといわせてやる。」
「でも、本部からの増援はまだでタンスにゴン。」
「くくく、私はこう見えても本格派のフットワーカーだよ。」
「して策は?」
「あの男、覚えているかい。」
「ああ、男子の本懐の主人公ですか。」
「そうそう、裏番組の…それはともかく、親友のさぁ、EFが教えてくれたのよ。名前。あの小娘、あの男に ホの字なのよね。」
「へえ。」
「そこで、ひ・と・ぢ・ち。あの子を預かってる、さあ出てこいってわけ。」
「でも、あの少年はどこにいるか、知ってるんですか。」
「嘘にきまってるじゃない! 当然!まともにやったら負けると言わなくても苦戦するからねぇ。」
「ああ、なんて悪い企み!」
「あーはっはっは! でしょう?こりゃこのまま、あの白とかいうおっさんにとってかわる日も近いかねぇ。」
「まったくでガンス! この悪党。」
「悪女。」
「いよっ行き遅れ。」
「なんですってぇ!」
「わー、前、前!」
三人は、あーと叫びながら、流砂に沈んでいった。
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